振動子と秩序変数

0.378
-2.492

秩序変数 r(t) の時間変化

数値解 解析解

コーシー分布 g(ω)

蔵本モデルの概要

体の振動子からなる蔵本モデルは次の微分方程式で表される。

番目の振動子の位相と自然振動数、 は結合強度を意味する。

自然振動数 は確率密度関数 に従う。 今回のシミュレーションでは、コーシー分布 を考える。 コーシー分布の確率密度関数は、

で記述される。

次に秩序変数 を定義する。

の大きさを見ることで、振動子が同期しているかどうかが分かる。 が 1 に近いほど同期しており、0 に近いほど同期していない事を表している。

秩序変数を使って、 を次のように書き直すことができる。

この導出は、方程式

の虚部だけ考えると、

が得られるので、これを に代入すれば良い。

がコーシー分布のときに、 の値は解析的に求まることが知られている。 結果だけ以下に書いておく。

この結果は蔵本による形式的な自己無撞着議論から得られる。導出の詳細は [1] を参照。

数値シミュレーション

常微分方程式の数値解法の一つにオイラー法がある。 に前進オイラー法を適用すると、

が得られる。 は時刻 における 番目の振動子の位相、 は時間幅である。これを愚直に実装すると、1ステップあたりの計算量は になる。

に前進オイラー法を適用すると、

が得られる。この場合、1ステップあたりの計算量は になる。

参考文献

  1. S. H. Strogatz, “From Kuramoto to Crawford: exploring the onset of synchronization in populations of coupled oscillators”, Physica D, Vol. 143, pp. 1-20 (2000)
  2. 中尾裕也, “結合位相振動子系の安定性と同期現象”, 計測と制御, Vol. 55, No. 4, pp. 335-342 (2016)
  3. 米田亮介, “蔵本モデルにおける臨界指数” (2020)